去る平成20年2月29日(金)に、松江市において平成19年度廃棄物学会中国四国支部セミナー in 山陰「水環境の保全・修復と資源循環型技術」が開催されました。本セミナーは、本学会会員が少ない山陰地域の活動拠点となっている島根大学の「宍道湖・中海の水環境保全・修復と資源循環・地域資源の活用プロジェクト研究」を6人の講師により紹介し、本学会の認知と会員の拡充を図ったものです。
前半は、生物資源科学部の野中資博氏から「プロジェクト研究とセミナー演題の位置づけ」の基調講演の後、産学連携センターの佐藤利夫氏から「機能性無機材料による排水からのリン除去・回収・再資源化システムの確立」と題して、リンを選択的に大量吸着できる無機イオン交換体を利用した排水の高度処理とリン回収を同時に行う技術の紹介、野中資博氏から「環境保全・資源循環型機能性コンクリートの開発」と題して、環境浄化機能を持つコンクリートの開発と使用後に藻礁等へ転用し水環境修復を図る技術の紹介、増永二之氏から「中海浚渫底泥と下水汚泥の改質と再利用」と題して、浚渫汚泥を熱改質して農業へ利用する技術の紹介がありました。後半は、産学連携センターの北村寿宏氏から「木材からの吸着用木炭の製造技術の確立とその利用」と題して、建築廃木材を一段階で焼成・賦活化し、水処理木炭を製造する技術の紹介、総合理工学部石賀裕明先氏から「石材の循環利用と水環境」と題して、トンネル等から排出される石材の有効利用技術の紹介がありました。各講演後には活発な意見交換が行われ、交流会も盛会で本学会の活動に関する質問もあり、大変有意義なセミナーとなりました。
去る平成17年11月16日(水)〜20日(日)に、広島市まちづくり市民交流プラザにおいて、「ハイムーン環境まんが展 in ひろしま」が開催されました。同展は、ハイムーン環境まんが展 in ひろしま実行委員会と廃棄物学会中国四国支部の主催であり、ハイムーンこと高月紘先生(石川県立大学)の環境まんがの原画21点が展示されました。ライフスタイルのあり方や環境問題の本質をほのぼのとしたタッチの中に風刺もきかせて表現されたまんがの数々に、来場した多くの市民が共感し、自らの生活を見直す機会としているようでした。
また、本まんが展のためのオリジナル作品「ごみと平和」も展示され、戦争もごみもない持続可能な社会へ向けてのメッセージが込められた作品となっていました。展示会場にはごみ問題に関するクイズやごみ減量のアイデア紹介などのコーナーも設けられ、期間中の来場者は約2000人にのぼりました。
19日(日)には高月先生の講演会およびワークショップが開催されました。講演会では会場一杯の120人を超える市民が参加する中、「まんがで環境問題を考える」と題して、ごみ問題にとどまらず地球環境問題も含めて、まんがによる分かりやすい示唆に富んだお話がありました。
続くワークショップでは、34人の参加者がハイムーン先生からまんがの描き方の基本を教わった後に、5グループに分かれて「2R(ReduceとReuse)」をテーマとした環境まんがの作成にチャレンジしました。小学生から年配の方までの市民が自由にアイデアを出し合い、完成したまんがの発表会を行いました。ハイムーン先生をうならせるユニークなアイデアに会場が沸く場面もあり、参加者は貴重な機会を十分に楽しんでいるようでした。