ビデオ撮影による不燃・粗大ごみの質・量の計測と住居形態別ごみ発生特性
松藤敏彦*・田中信寿*・松尾孝之*・小針昌則**・神山桂一*
【要 旨】 適正なごみ処理を選択,実施するには,ごみ量,ごみ質を把握することが重要である。ごみ量については収集量データを用いる方法があるが,ごみ質は組成分析調査によるしかなかった。筆者らは,不燃・粗大ごみは目視でかなりの部分が判別できることに注目して,ビデオ撮影による調査法を提案し,対象地域を定めて一年間調査を継続した。ごみの種類は非常に多いため,それを6つの項目に大分類した。調査によって得られる個数データから重量を推定するため,組成別の重量を測定し,収集車一台分の重量推定誤差は10%以内と良好であった。降雨により10%程度重量が増加している。次に,住居形態の異なるステーション群で,大分類項目別の排出個数の変動を調べ,春先,9月,12月の増大が認められた。これらは季節の変わり目の清掃行動によると考えられるが,住居形態により増大の程度,時期が異なっている。
キーワード: ビデオ撮影調査,不燃・粗大ごみ,排出特性,季節変動,住居形態
廃棄物学会論文誌,Vol. 2, No.1, pp.1-10, 1991
原稿受付 1990.9.12
* 北海道大学工学部衛生工学科
** 現在,日立製作所