廃棄物海面埋立地浸出水処理施設の設計
高見澤 一 裕*・山 本 攻**・福 永 勲**・井 上 善 介**・本 多 淳 裕***
【要 旨】 廃棄物海面埋立地浸出水処理施設の設計方法を示す。設計は,浸出水の水量,水質予測と代替案の作成及び選択の順序で行った。廃棄物海面埋立地浸出水は,埋立の進行に伴ってその質,量共に大きく変化し,しかも海水であるという特徴がある。浸出水質の予測は経験的方法に基いて行った。水量予測は雨水収支を中心にして検討した。代替案の作成は,海面埋立地の特殊性を考慮して行い,その選択も同様に考えた。そして,廃水安定化池と曝気式ラグーン及び化学凝集沈殿池より成る浸出水処理施設を建設した。廃水安定池と曝気式ラグーンの容量は各々,73,900m3,369,000m3であり,3,600kg O2/日の酸素供給能力を持つ表面曝気装置を6台設置した。凝集剤としてはポリ硫酸鉄を用い,凝集池と沈殿池の容量はそれぞれ41m3,308m3である。
キーワード: 浸出水処理,廃棄物海面埋立地,代替案,廃水安定化池,曝気式ラグーン
廃棄物学会論文誌,Vol. 2, No.2, pp.25-32, 1991
原稿受付 1990.8.23
*岐阜大学農学部
**大阪市立環境科学研究所
***元大阪市立大学工学部教授