【特 集 :リサイクル・資源化――経済学的視点から――】

リサイクル文化事業の時代

小 泉 晨 一*

【要 旨】 リサイクルを推進するにあたり4つのことが手続として重要である。(1)資源に対する人々の関心を呼び醒し(問題化),(2)みんなで考え合って静脈のシステムを作りあげ(実用化),(3)さまざまなイベントや口こみで街に広げ(社会化),(4)静脈産業を構築してゆく(日常化)という運動方針である。本稿は,この中でも,とりわけ,実用化プランを中心に報告するものである。また,ごみは財産というキーワードで実践してきた記録でもある。そして,80年代のリサイクル運動の時代から,90年代は,リサイクル文化事業を興してゆく時代だと結ぶものである。

キーワード: ごみの財産権,資源回収

廃棄物学会誌,Vol. 2, No.2, pp.108-115, 1991

原稿受付 1991.1.10

* 日本リサイクリング協会理事長