【特 集 :リサイクル・資源化――経済学的視点から――】

地方公共団体の公務としての分別収集

井 上 英 彦*

【要 旨】 今,世界中が環境問題を最重要視している。この中で日本においては特にごみの増加が問題とされ,減量が環境問題の解決の糸口と考えられる事態になっている。廃棄物には,一般廃棄物と産業廃棄物があり,産業廃棄物の減量は国や産業界の責任に帰せる。しかし,一般廃棄物の減量責任は市民や地方公共団体の責任もおおいにある。その一般廃棄物の減量には,1.物を大切に使う2.ごみになるものは買わない等,今後生活習慣を変え,効果をあげるものが重要である。しかし,現在の経済社会のシステムと国民の意識の中ではごみはまだまだ生み出されるのは仕方のないものと思う。生み出されたごみを減量するのに現在考えられる最良の手段は資源化リサイクルであり,平塚市は昭和52年からこれに取り組み,更に近年は「新平塚方式」ということで多大な成果をあげている。このシステムと効果を合わせて自治体公務としての資源化リサイクルと税使用への考え方を報告する。

キーワード: ごみの分別収集

廃棄物学会誌,Vol. 2, No.2, pp.116-123, 1991

原稿受付 1991.1.16

* 神奈川県平塚市役所 環境衛生業務課 課長補佐