【解  説】

環境にやさしい暮し――コスト比較試算――

高 月   紘*

【要 旨】  「環境にやさしい暮し」をする参考にと,具体的な生活場面を設定し,生活様式の違いによって,どの程度,資源や環境に関するコストが異なるのかを比較計算してみた。たとえば,テーブルにこぼれたコーヒーをふくのにティッシュペーパーを使うか,布製の台ふきを使うかによってどの程度,原料コスト,処理コスト,環境負荷に違いがでるかなどの6つのケースを想定し各々試算を行ってみた。そしてその結果,使い捨て商品を使用することは,便利だが,原料,処理,環境負荷,いずれについても再使用のものに比して割り高になることを示した。この計算では,ごみ処理のコストを容積ベースで比較検討する新しい算出方法を試みた。

キーワード: 生活様式,コスト比較,環境負荷,容積ベース

廃棄物学会誌,Vol. 2, No.2, pp.143-148, 1991

原稿受付 1991.1.31

* 京都大学環境保全センター教授