【研究報告】

一戸建て住宅地における家庭ごみ組成別原単位の日米比較

松 藤 敏 彦*・Robert K.Ham**

【要 旨】 ごみ処理を適正に行なうには,処理対象となるごみの質・量に関する情報が必要である。本研究では家庭から発生するごみに注目し,ともに生活水準は高いがライフスタイルの異なる日米両国でごみの組成分析調査を行ない,組成別原単位を比較した。比較を意味のあるものとするために,1)似通った特性を持つ札幌とマジソン(ウィスコンシン州)を選び,さらにその中から一戸建て住宅地を調査対象地区とし,2)同様の調査方法を用い,3)両都市のごみの定義の違いを考慮して,リサイクルを含めたすべてのごみの量を推定した。その結果,札幌に対して,マジソンの一人あたりごみ発生量は,紙類は約2倍,厨芥は2分の1であったが,yard waste(庭ごみ)を除くと合計量に大きな差は見られなかった。また,両都市ともリサイクル率は20%前後であった。

キーワード: 家庭ごみ,ごみ発生原単位,一戸建て住宅,リサイクリング,日米比較

廃棄物学会誌,Vol. 2, No.2, pp.149-157, 1991

原稿受付 1990.10.19

* 北海道大学工学部助手

** 米国ウィスコンシン大学教授