【会議報告】

アジア太平洋地域有害廃棄物ワークショップについて

秦  康 之*

【要 旨】 近年,国内のみならず国際的にも廃棄物問題は大きな社会問題となっている。先進国はもちろん,発展途上国においても近年の急速な工業化の進展に伴い,産業廃棄物の処理や処理技術の開発に関心が高まっている。なかでも有害廃棄物は,それが環境に与える影響から発生の抑制や適正な処理を行うことが国際的にも急務となっている。平成2年12月3日から5日間,京都でUNEP(国連環境計画),厚生省の共催により「アジア太平洋地域有害廃棄物ワークショップ」が開催された。アジア諸国8か国と日本を加えた9か国からの参加者で行われたこのワークショップでは,各国の有害廃棄物処理の現状やカントリーレポートの発表,セッション等を通じて活発な議論がなされ,有害廃棄物問題に関する国際的な認識の一端を知ることができた。このような認識を踏まえ,国内の廃棄物問題を処理していくとともに,今後とも一層の国際協力を行って行くことが必要であろう。

キーワード: 有害廃棄物,UNEP,ワークショップ

廃棄物学会誌,Vol. 2, No.2, pp.158-164, 1991

原稿受付 1991.3.1

* 前厚生省水道環境部産業廃棄物対策室厚生技官

現環境庁大気保全局大気規制課