【特 集 :廃棄物の広域処分をめぐって】

歩み始めた大阪湾フェニックス計画――合意形成への道――

片 山   徹*

【要 旨】 近畿圏において発生する廃棄物(一般廃棄物,産業廃棄物,建設残土,浚渫土砂)は,年間約1億トン余に達している。これらの廃棄物は,地方公共団体や企業において,資源化,再利用,中間処理等により減量化の努力が講じられているが,なおかつ最終処分すべき廃棄物はその4割近くになっている状況である。一方,近畿圏では,土地の高密度利用により,近年最終処分のための用地確保が極めて困難となっている。そこでこの問題を解決するため,広域的な観点から地方自治体と港湾管理者が協力して海面に最終処分の場所を求めるという「大阪湾フェニックス計画」が平成2年1月から開始された。本文は,この計画の概要,事業実施に至るまでの経緯等について紹介するものである

キーワード: 大阪湾フェニックス計画,広域臨海環境整備センター法,大阪湾広域臨海環境整備センター,海面埋立

廃棄物学会誌,Vol. 2, No.3, pp.217-228, 1991

原稿受付 1991.7.23

* 環境庁環境研修センター 所長

(前 大阪湾広域臨海環境整備センター 常務理事)