【会議報告】

生活者から廃棄物を考える――廃棄物問題の基本観点――

大 嶋 茂 男*

【要 旨】 90年10月28日廃棄物学会第一回研究発表大会の前日,廃棄物問題消費者市民交流会が開催された。その報告をしながら,廃棄物問題に対し,消費者市民がどう取り組んできたか,いま何を求めているか,について報告をしたい。併せて廃棄物問題の中心点についても提起をしたい。消費者市民は10年20年とゴミ問題に取組んできたが,その間,有害廃棄物の処理,過剰包装の縮少,ビンの規格統一など,あたりまえの要求がなぜ実現しないのか,ビンや古紙を回収するのに大きなエネルギーを投入するものが大きな赤字を背負う矛盾をどうするのかと悩んできた。この悩に応えることこそ問題の核心だ。

キーワード: 消費者市民の要求,それぞれの責任,地方自治

廃棄物学会誌,Vol. 2, No.3, pp.267-275, 1991

原稿受付 1991.3.25

* 全国消費者団体連絡会 事務局長