回分式活性汚泥法による埋立処分地浸出水中の窒素ならびに難分解性有機物の除去
細 見 正 明*・松 重 一 夫*・稲 森 悠 平*・須 藤 隆 一*
【要 旨】 浸出水中に含まれる高濃度の窒素および難分解性有機物を効率的に除去するために,実際の廃棄物埋立処分地浸出水を供試排水とし,回分式活性汚泥法による処理実験を行った。有機炭素源としてメタノールを添加するBringmann方式の回分式活性汚泥法の窒素除去性能は,NH4-N容積負荷を0.11kg/m3/d,好気・嫌気条件をそれぞれ6時間とし,かつ流入水中のアルカリ度が不足しなければ,97%の窒素除去率が得られた。オゾン酸化を前処理とした回分式活性汚泥法による難分解性有機物の処理性能と回分式活性汚泥法のみによる難分解性有機物の処理性能とを比較すると,オゾン処理を組合せることによってCODならびにTOCの除去率が高まり,オゾン酸化の効果が認められた。
キーワード: 廃棄物埋立処分地,浸出水,回分式活性汚泥法,窒素,難分解性有機物
廃棄物学会論文誌,Vol. 2, No.4, pp.74-82, 1991
原稿受付 1991.4.26
* 国立環境研究所