【技術報告】

焼却処理に伴うダイオキシン問題への対応

「ダイオキシン問題に関する京都会議91」の総括に代えて

田 中   勝*

【要 旨】 「都市ごみ焼却におけるダイオキシン問題に関する京都会議1991」がさる5月に京都で開催された。筆者はそこの最後のセッションで総括を行ったが,その時のメモと関連する資料で,廃棄物焼却に伴うダイオキシン問題にどのように対応したら良いのかを考察しようと試みた。まずこの意義ある国際会議が開催されるようになった内外の背景に触れた。そして廃棄物処理における焼却の重要性と施設建設には排ガス対策特にダイオキシン対策が決め手になってきていることを指摘した。次にこのようなダイオキシン問題がそもそもどのように発生し1990年12月に出されたガイドラインの取りまとめまでの過程を振り返ってみた。最後に都市ごみの焼却に伴うダイオキシンに関する研究の一端を紹介し,今後の取り組むべき検討課題を列挙した。

キーワード: 焼却処理,ダイオキシン,行政対応,ガイドライン,都市ごみ,京都会議91

廃棄物学会誌,Vol. 2, No.4, pp.346-355, 1991

原稿受付 1991.9.12

* 国立公衆衛生院廃棄物工学室 室長