既設ごみ焼却炉におけるダイオキシン類の抑制に関する研究
平 岡 正 勝*1・武 田 信 生*1・酒 井 伸 一*2・金 田 晃*3・大 賀 貞 彦*3・瀬 川 道 信*3・手 島 肇*4・西 垣 正 秀*4・早 田 芳 浩*4
【要 旨】 ごみ焼却炉内でのガス混合の促進が,完全燃焼を目指した燃焼改善にとっていかに重要であるかを,実際の既設ごみ焼却炉の改造によって実証できた。(1)炉形状の変更および二次空気供給方法の変更を中心とした燃焼改善策を実施した結果,一酸化炭素およびダイオキシン類の発生を大幅に抑制することができた。さらに,燃焼の安定化対策として,(2)自動燃焼制御を導入するとともに,急冷反応塔を新設することによって電気集じん機通過ガス温度の低減化をはかった。その結果,この2つの改善によりダイオキシン類の発生量を改造前の約10分の1にまで低減することができた。
キーワード: 都市ごみ焼却炉,ダイオキシン類抑制,改造工事,燃焼改善,自動燃焼制御
廃棄物学会論文誌,Vol. 3, No,2, pp.26-35, 1992
原稿受付 1991.8.5
*1 京都大学工学部 *2 京都大学環境保全センター
*3 京都市清掃局 *4 (株)タクマ
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(株)タクマ 環境設計第1部第1課 早田 芳浩