公共施設立地と計画
――ドイツにおける廃棄物処理計画をめぐって――山 田 洋*
【要 旨】 ドイツにおいても,廃棄物処理問題とりわけ廃棄物処理施設の立地難が深刻化している。この立地難に対応するため,廃棄物処理法は,各州政府に対し,処理施設の適正かつ計画的な配置を図るための「廃棄物処理計画」の策定を義務付けている。これによって,広域的に処理施設の適地を選定し,円滑かつ迅速に施設を設置できるものと期待されていた。しかし,現実には,計画の策定自体が必ずしも進まず,施設設置促進の期待も裏切られているため,近年では,この制度の存在意義を疑う声すら聞こえる。この制度の機能不全の原因とその将来の展望を探るのが本稿の課題である。
キーワード: 廃棄物処理計画,廃棄物処理施設,計画
廃棄物学会誌,Vol. 3, No,2, pp.79-95, 1992
原稿受付 1992.5.11
* 西南学院大学法学部 教授
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