【総  説】

最終処分場の変遷と動向

花 嶋 正 孝*

【要 旨】 昭和30年代からの日本の最終処分場の移り変りとこれからの動向について,先ず日本の最終処分場の基本的な処分技術の考え方を欧米のそれとを対比することによって示し,世界中に蔓延しているNIMBYシンドロームの払拭の方法を提案した。そして,日本ではそれに対応するためにどのような対応策をとっているかを,最終処分場の管理技術の整備やアメニティの推進,最終処分場の跡地管理とその利用促進の方法まで言及した。更に当面の対応策として,古い埋立地を再整理して埋立空間容量を確保する技術と,最も新しい処分場造成技術である中間処理と最終処分併用型のクローズド型処分場の提案を行い,不用物の最終処分場だけでなく,将来を見据えた資源備蓄型の最終処分場を提案した。

キーワード: クローズドシステム,NIMBYシンドローム,好気性埋立,嫌気性埋立

廃棄物学会誌,Vol. 3, No,2, pp.116-125, 1992

原稿受付 1992.2.17

* 福岡大学工学部 教授

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