真空収集車によるごみ収集システムの研究
――家庭ごみ吸引収集条件の検討――
石 割 信 雄*・藤 田 永 治**・犬 飼 新 平**・林 善 弘**
【要 旨】 家庭ごみは指定された日に住民が街角に山積みしたものを,パッカー車などのごみ収集車によって収集しているのが通例である。しかし,この収集方式には,住民側・収集側・生活環境面からみて様々な問題を抱えており,都市の近代化とともに次世代の新都市にふさわしい収集方式の開発が望まれている。その一方策としてこれまで大口径パイプによるごみ吸引収集システムが開発されているが,既成市街地には適用が困難であった。そこで,真空収集車による新しい収集システムを提案し,今回一定条件の模擬ごみを用いた輸送実験で真空収集車の最適な吸引収集条件を検討した。車両による吸引収集の標準的な配管モデル(内径254.2mm,全長180m)を設定し,この条件においてパイプ内のごみ量とブロワ風量や圧力との関係を明らかにし,最適なブロワ風量と圧力(80m3/min,−4,000mmAq)を求めることができた。
キーワード: 家庭ごみ,ごみ収集,ごみ収集車
廃棄物学会論文誌,Vol. 3, No,4, pp.86-93, 1992
原稿受付 1992.5.21
* 伊丹市 企画部
** 新明和工業(株)
** 連絡先:〒663 西宮市田近野町6-107 新明和工業(株)
開発技術本部 開発研究所 藤田永治