【特 集 :廃棄物の減量化】

ごみの減量化とライフスタイルの変革

高 月   紘*

【要 旨】 本論文では,「ごみ問題はライフスタイルの問題である」という視点から,いかに我々のライフスタイルを変えるべきかを論じている。ごみの減量化に関しては,まずごみの発生やリサイクルをライフスタイルとの関係において実態解析する必要があること,そして「リサイクル」も重要だがより「発生抑制」が重要であるとしている。ライフスタイルの変革には,同時に社会システムの改革も必要であり,そのためには(1)経済的インセンティブの導入,(2)事業者責任の法制度化,(3)グリーンコンシューマー運動の促進などが有効と考えられる。今後の地球環境問題を解決するためには,先進国の人々のライフスタイルを変え,地球へのインパクトを可能な限り少なくすることが必要である。ごみの減量化はその結果としての期待される効果と考えるべきであろう。

キーワード: ごみの減量化,ライフスタイル,発生抑制,経済的インセンティブ,グリーンコンシューマー運動

廃棄物学会誌,Vol. 3, No.4, pp.251-259, 1992

原稿受付 1992.8.28

京都大学環境保全センター 教授

連絡先:〒606-01 京都市左京区吉田本町