【特 集 :廃棄物の減量化】

東京都廃棄物の処理及び再利用に関する 条例と廃棄物の減量化

佐々木 克 己*

【要 旨】 地域におけるごみ問題は,従前に比べ質的にも量的にもその厳しさを増しているが,地球環境の面からもこれに適切に対処する必要がある。国はこのため関係法令の整備を行ったが,都ではこの法整備に対応するとともに,一層厳しさを増す都のごみ問題に的確に対応するため,都の独自規定を盛り込み,従来の「東京都清掃条例」を「東京都廃棄物の処理及び再利用に関する条例」として全面的に改正した。改正条例の考え方の基本は,従来の「出されたごみを処理する」という受け身の後始末行政から,「廃棄物をトータルに管理する」積極的行政へと発想を転換するものである。生産,流通,消費,処分のすべての段階で,再利用・資源化を徹底し,廃棄物の減量化を図るとともに,一層の適正処理を行うことをその内容としている。

行政,事業者,都民の三者それぞれの責務を具体的に明確化し,都における廃棄物問題の実態に沿って規定整備したものである。

キーワード: 廃棄物,再利用,減量,適正処理,事前評価

廃棄物学会誌,Vol. 3, No.4, pp.280-283, 1992

原稿受付 1992.8.31

* 東京都清掃局ごみ減量総合対策室 室長

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