【特 集 :廃棄物の埋立と環境保全】

海面埋立処分場の現状と動向

根 本 康 雄*

【要 旨】 海面は廃棄物処分場用地の確保に苦しんでいる自治体等から熱い視線が向けられている。しかし,海面は波浪等自然条件の影響が大きく処分場の適地は極めて限られている。また,浸出水の処理を埋立終了後も長期にわたって行わなければならないなど解決しなければならない課題も多い。新たな処分場を設置する際には,埋立対象物を環境に及ぼす影響が少なく,土地としての価値が高くなるよう無害化処理したものに限定すること,埋立中から海洋生物の成育環境への配慮や港湾施設及びマリンスポーツ施設等と共存することのできる処分場とすることが必要である。

キーワード: 海面埋立処分場,外周護岸,遮水工

廃棄物学会誌,Vol. 4, No.1, pp.23-28, 1993

原稿受付 1992.12.21

* 東京都清掃研究所 所長

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