【総  説】

米国における都市廃棄物管理と有害廃棄物管理

ジョン・スキナー*

【要 旨】

近年米国では廃棄物量の増大と埋立地の不足が顕著であり,このため化学関連や金属関連企業を筆頭に発生源企業における廃棄物最小化がもたらす費用節約効果,さらには競争力の増大効果についての認識が深まり,廃棄物最小化への努力が始まっている。EPAはこうした企業努力を支援すべく汚染防止計画,技術移転計画,州に対する財政援助計画などを立案してきた。またEPAの研究者は,有害廃棄物の処理・処分の新しい技術の開発,ならびにその実証試験をすすめてきた。しかし,汚染地を迅速に調査し,いかなる対応をとるべきかを明らかにする手法の開発など,なお今後開発を進めるべき課題も多い。都市廃棄物も埋立地の不足等が要因となって,最小化やリサイクル化が叫ばれ,法律の整備や資金面での整備が進み,将来の廃棄物管理構想の組立ができるようになってきた。

キーワード: 米国,有害廃棄物,リサイクル,廃棄物の最小化,都市廃棄物

* 前アメリカ合衆国環境保護庁研究開発担当次官補

(訳:酒井 泰,金次 信哉)

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東京大学工学部 桜井 国俊