【特 集 :経済的インセンティブによる環境管理】

強制的デポジット・リファンド・システム

佐 野 敦 彦*・立 道 伸一郎*

【要 旨】 固形廃棄物の処理政策で最近注目されている経済的な手法の一つとして「強制的デポジット・リファンド・システム」を分析する。これは販売時に前もって預り金(デポジット)を徴収し,使用済み製品を返却した場合に預り金を返却するシステムのことをいう。現実的な適用手法例として,1)逆流通方式,2)回収センター方式,3)回収ポイント・回収センター方式の3通りを作成した。対象とする製品の耐用年数,使用素材,および政策目標などによっても預り金の設定内容,返却方法も異なる。社会的な費用負担のより公平さをめざしたシステムとして理解されやすいものの,現行の日本システムとの調整が必要である。

キーワード: 廃棄物削減,資源リサイクリング,強制的デポジット・リファンド・システム,飲料容器,家電製品

廃棄物学会誌,Vol.4, No.3, pp.192-198, 1993

原稿受付 1993. 7. 2

* (株)佐野環境都市計画事務所

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