【論  文】

廃潤滑油の再生に関する研究

高 岡 春一郎*

【要 旨】 工業や自動車などで使用されている潤滑油は,一般に硫酸による化学的処理によって再生されている。廃潤滑油の再生方法には他にも多くの方式があるが,これらの方式は再生油の品質,処理工程上の能率,経済効果などの観点から十分ではない。本研究では新しい処理方法について実験を行った結果,(1)高温真空蒸留,(2)ガスの除去,(3)急冷などの要点が分かったので検討,報告した。この再生方法では,最初に真空蒸留によって廃油から“ボトム油”を調整し,次にこの“ボトム油”に硫酸を加え,硫酸洗浄後得られた酸油に活性白土を加え攪拌して再び真空蒸留を行って処理をする。この方法によって再生された油は他の方法によって再生された油よりも,より良質である。

キーワード: 廃潤滑油,油の再生,真空蒸留,酸洗浄,活性白土

廃棄物学会論文誌,Vol. 4, No.4, pp.152-158, 1993

原稿受付 1993.6.30

* 高岡資源化学研究所 所長

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