土壌洗浄法の概要とその適用について
――革新的な土壌汚染浄化工法の前処理工法――
大 北 康 治*・伊 藤 克 彦**・鈴 木 重 孝***・久 保 弘 明****
【要 旨】 海外で開発が進められている新しい浄化工法を分類するとともに,浄化工法をより経済的なものとするために考えられた組合せ浄化方法とその前処理として浄化対策の経済性向上に役立つ土壌洗浄法の概要について紹介した。この工法は土壌に含有される有害物質の濃度が土粒子の粒径と関係することを利用し,ふるいやサイクロンなどを使用して汚染土壌の処理量を減量する。重金属汚染などの浄化を目的としてヨーロッパで開発された工法であるが,経済的で適用範囲の広い工法としてアメリカへも技術移転されており,組み合わせ浄化方法の前処理に使用頻度の高い工法である。
キーワード: 有害廃棄物,浄化対策,土壌洗浄法,SITEプログラム
廃棄物学会誌,Vol. 5, No.1, pp.79-86, 1994
原稿受付 1993.6.10
* (株)鴻池組 土木本部東京都技術部技術開発課 課長代理
** (株)鴻池組 土木本部東京都技術部 部長
*** ケミカルグラウト(株) 技術本部技術部 次長
**** ケミカルグラウト(株) 常務
連絡先:〒101 東京都千代田区神田駿河台2-3-11
(株)鴻池組 土木本部東京都技術部 技術開発課 課長 大北康治