札幌市におけるごみ燃料製造・利用システムのエネルギー評価
金 贏 載*・松 藤 敏 彦*・田 中 信 寿*
【要 旨】 札幌市におけるごみ燃料製造・利用システムを対象としてエネルギー評価を行った。計算では,単にプロセスに出入りするエネルギーのみならず,ごみの収集・運搬から埋立処分までを含めて,システムをトータル的にとらえ,他のシステムにも適用できる計算手法を示した。ごみ燃料製造・利用システムはエネルギーをより多く消費するが,外部へ供給できる生産エネルギーは投入エネルギーを上回っていることが分かった。比較のため,札幌市の4つの清掃工場についても解析した。投入ごみの持つエネルギーあたりの生産エネルギーで比較すると,ごみ燃料製造・利用のエネルギー収率は,わが国で最もエネルギー効率の高いと言われている厚別清掃工場とほぼ同じであり,エネルギー面からみて有効なシステムであると判断できる。
キーワード: ごみ燃料(RDF),エネルギー評価,エネルギー分析,焼却・熱利用
廃棄物学会論文誌,Vol. 5, No.2, pp.63-72,1994
原稿受付 1993.2.3
* 北海道大学工学部
連絡先:〒060 札幌市北区北13条西8丁目
北海道大学工学部衛生工化学 松藤 敏彦