都市ごみ焼却炉燃焼ガスの二次燃焼条件把握のための基礎実験
石 見 忠 之*・山 口 尚 夫*・黒 石 智*・東 村 一 弘*・米 田 主*
【要 旨】 都市ごみ焼却炉においてダイオキシン類等有害微量物質の発生を抑制するためには,燃焼ガスの完全燃焼を図ることが重要であり,それには燃焼に対する影響因子とその影響度合を把握する必要がある。しかし,実炉においてはごみ質の変動が大きく,そのため燃焼状態が刻々変化することからそれぞれの影響因子の個別の効果を把握することは難しい。そこで本研究は,二次燃焼室をモデル化したラボテスト装置を考案し,燃焼に対する影響因子の個別の影響度合を把握することを目的とした。実験では,未燃ガスとして完全燃焼を示す指標である一酸化炭素(CO)を用い,ガス温度,O2濃度および滞留時間を燃焼条件として変化させ,CO濃度の変化を調べた。次に,この実験結果をアレニウスの式にあてはめて,CO酸化の総括反応速度式を求めた。また,この反応速度式を実際の都市ごみ焼却炉に適用し,CO濃度低減に必要な燃焼条件を検討した。
キーワード: 都市ごみ焼却炉,ダイオキシン類,二次燃焼,一酸化炭素,反応速度式
廃棄物学会論文誌,Vol. 5, No.2, pp.73-81,1994
原稿受付 1993.5.24
*(株)クボタ 技術開発研究所
連絡先:〒661 尼崎市浜1-1-1