【特 集 :廃棄物学会第4回研究発表会】

国際セッション報告

開発途上国は廃棄物学会に何を期待しているか?

【趣 旨】 国際セッションは14日午前9時30分から午後1時まで,第4会場において,およそ70人の聴衆を集め,熱意のこもった発表と討議が行われた。この国際セッションは,廃棄物分野におけるわが国の国際協力の需要の増加とその重要性を考慮し,今年会で初めて独立のセッションとして開催されたものである。昨年までは,廃棄物分野の国際協力に関連する報告は一般セッションに分散していたが,これらを表題のテーマの下に集約し,さらに議論を深めるためのパネルディスカッションを加え,独立の国際セッションとして実施した。セッション内で各氏がくり返し述べているように,1992年6月にブラジルで開催された地球環境サミットにおいて,わが国は今後5年間に約1兆円の環境ODAの実施を約束している。都市廃棄物は最も身近な環境問題であり,今後この分野の技術協力・資金協力案件が急増することが予測される。セッション開催にあたり,後藤典弘廃棄物学会国際委員長から開会の挨拶があり,国際委員会と活動の紹介,ならびに今回の国際セッションが国際委員会の企画によるものであることが紹介されるとともに,今回のセッションの構成とターゲットについて説明がなされた。すなわち,セッションは3部からなり,第1部は開発途上国の緊急なあるいは基本的な廃棄物問題についての研究報告3編,第2部では廃棄物関連の国際協力について現場からの報告を5編,そしてこれらの報告を踏まえ第3部としてパネルディスカッションを「今,開発途上国は廃棄物学会に何を期待しているか? その期待にいかにして応えるか?」をテーマに行うことが述べられた。セッション発表および議論の概要について,以下のとおり紹介する。

(担当:四阿 秀雄)

廃棄物学会誌, Vol. 5, No.2, pp.123-128, 1994