粗大ごみの破砕処理にともなう有害物質の排出挙動
安 田 憲 二*・高 橋 通 正*・吉 野 秀 吉*
【要 旨】 家庭から排出される粗大ごみ・不燃ごみは,分別収集されたのちに粗大ごみ処理施設に運ばれ,破砕施設により破砕,圧縮処理がなされている。しかし粗大ごみには有害物質を含むものもあるため,これらが破砕,圧縮処理される過程で有害物質が排出される可能性がある。そこで,有害物質の排出を抑制し,処理施設を適正に管理する方法を検討するため,排出される粉じんおよびガス中の有害物質の挙動を調査検討した。その結果,以下の事柄が判明した。(1) 粗大ごみ施設から排出されるHgは,大部分がガス状であった。(2) Hg排出の主原因は,処理施設で破砕される蛍光管であると考えられる。(3) 乾電池類の混入率が増加すると,排出される粉じん中のMn,Zn濃度がより高くなった。
キーワード: 粗大ごみ,破砕処理,有害物質,排出挙動,物質収支
廃棄物学会論文誌,Vol.5, No.3, pp.108-117, 1994
原稿受付 1993.7.29
* 神奈川県環境科学センター
連絡先:〒241 横浜市旭区希望が丘103クレール希望が丘105号
安田憲二