廃棄物管理のためのシステム計画論
古 市 徹*
【要 旨】 廃棄物計画論の「序論」として,廃棄物計画のシステム化の方法について述べた。システム化の意義は,計画を個別学問分野による接近を越えて総合的,体系的に分析し,計画論議を科学的,客観的なものとし,計画策定プロセスを標準化していくことにある。本論の目的は,循環型(リサイクル型)社会システムの構築をめざして,廃棄物の発生源管理も含めた廃棄物管理のための計画(廃棄物計画)を考え,科学的論議の方法としてシステムズアプローチの方法を用いて,廃棄物計画のシステム化を検討することである。本論では,計画化の分析・総合プロセスにシステムズアプローチを適用し,計画要素の明確化により計画策定の標準化を試みた。そして,構想計画の策定事例を踏まえて,システムズアプローチのフォーマット(手順)で計画問題を書くことにより,その方法論の具体的な適用可能性について示せた。また,廃棄物計画の総合化の重要性と,総合化を考えるにあたってシステムズアプローチの方法が有効であることについて言及した。
キーワード: 廃棄物管理,システムズアプローチ,廃棄物計画論,構想計画,計画総合化
廃棄物学会誌,Vol. 5, No.4, pp.280-289, 1994
原稿受付 1994.8.29
* 大阪府立大学工学部環境工学講座 助教授
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