【特 集 :廃棄物計画―研究委員会研究活動(廃棄物計画部会)―】

プラスチック廃棄物を考慮した都市ごみの適正処理計画

片 柳 健 一*

【要 旨】 最近,都市ごみの増加とともにプラスチックの混入率も増加しており,ごみの適正処理を困難にしている状況にある。各地方自治体では,プラスチック廃棄物を可燃ごみとして焼却処理したり,焼却不適ごみとして直接埋立処分したりしており,対応はまちまちである。このように,ごみの発生状況や処理処分の条件が過去とは変化してきており,処理体系を見直す時期にきているが,こうしたプラスチック廃棄物の取扱いへの地方自治体の対応は,以前からの方法を踏襲している場合が多く,計画段階で十分に検討できていない状況である。本研究では,プラスチック廃棄物の増加に伴い発生している問題点を整理するとともに,ごみ処理の構想計画段階で,プラスチック廃棄物の取扱いについて検討し選択できるように,モデル都市を例として処理体系の代替案を想定し,収集運搬,中間処理,最終処分の各段階における違いを比較検討した。

キーワード: プラスチック廃棄物,都市ごみ処理計画,適正処理,処理体系の評価

廃棄物学会誌,Vol. 5, No.4, pp.326-335, 1994

原稿受付 1994.8.29

* (株)環境管理センター 取締役本社営業部長

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