廃棄物計画における減量計画の位置付け
小 泉 春 洋*
【要 旨】 減量計画は,生産・流通・消費の過程を含む幅広い計画であり,これまでのようにごみ処理部門だけにとどまって策定する計画ではない。しかし,現実には過剰包装の抑制など消費生活部門と連携を持った減量計画の策定はほとんど行われておらず,計画の対象範囲の広がりに行政の体制づくりが遅れているように思われる。また,減量を推進していくためには,市民や事業者の生活スタイルや経営理念の変革を求めていく必要があるが,環境教育部門との連携もこれからの状況にある。今後は,これまでのごみ処理部門だけに閉ざされた計画策定から,行政内部の連携や市民・事業者との協働を取り込んだ計画の策定および推進が必要とする立場から,廃棄物計画における減量計画の位置付けについて整理した。
キーワード: 減量計画,家庭系ごみ,潜在的ごみ,事業系ごみ,減量施策
廃棄物学会誌,Vol. 5, No.4, pp.336-343, 1994
原稿受付 1994.8.29
* (株)地域計画建築研究所 第1計画部長
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