防腐・防蟻処理廃木材からのクロム，銅，およびひ素の抽出除去処理に関する基礎的研究

貫　上　佳　則*・木　元　敦　子**・本　多　淳　裕***

【要　旨】　防腐・防蟻加工が施された木材の多くは，薬剤にCCAと呼ばれるクロム，銅，およびひ素の化合物を用いたものである。このCCA処理木材は使用段階では人体や周辺環境に悪影響を及ぼさないが，廃材として焼却処理された場合，燃焼廃ガスや焼却灰中にこれらの重金属が濃縮され，2次汚染を招く恐れがある。そこでCCA処理木材をチップ化したのちに，溶媒で木材中の重金属を抽出除去する方法を提案し，基礎的な処理条件について実験的に検討を加えた。その結果，CCA処理木材を20mm以下のチップに破砕し，90〜100℃に加熱した0.25〜1Nの硫酸で5時間処理を行うことによって，チップに含まれているクロム，銅，およびひ素の95％以上を抽出できることがわかった。さらに，処理によって同時に抽出される難分解性とみられるTOC量も把握できた。

キーワード: CCA処理木材，抽出処理，抽出率，抽出TOC量

廃棄物学会論文誌，Vol. 5, No.5, pp.185-192, 1994

原稿受付　1994.3.15

* 大阪市立大学工学部土木工学科　助手

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大阪市立大学工学部土木工学科　

貫上佳則