【調査報告】

食品産業排水処理汚泥の再資源化

牛久保 明 邦*・田 口 計 介**・桐 山 光 市***

【要 旨】 食品製造業から発生する排水処理汚泥の再資源化の現状を把握し,今後の再資源化の方向性を見い出すことを目的として,アンケート調査を実施した。排水処理汚泥の発生量が0〜200t/年である事業場が最も多く,ビール製造業,その他畜産食料品製造業,その他動植物油脂製造業において発生量が多い。現行の汚泥処理方法では,処理業者委託が最も多く,汚泥発生量の少ない精穀・製粉業や季節操業である上に濃厚排水を排出するでん粉製造業では,発生汚泥のすべてを処理業者に委託処理ている。逆に,ビール製造業,味噌製造業等では処理業者委託よりも再資源化の比率が高く,その用途は堆肥化,飼料化および乾燥肥料化である。将来処理業者委託処分を中止しようとする事業場では,乾燥・焼却処理および乾燥肥料化処理の採用を希望するところが多い。

キーワード: 食品産業,排水処理汚泥,再資源化

廃棄物学会誌,Vol. 5, No.5, pp.449-453, 1994

原稿受付 1993.11.1

* 東京農業大学農学部 助教授

** (財)クリーン・ジャパン・センター 参与

*** (株)荏原総合研究所 主任研究員

連絡先:〒251 藤沢市本藤沢4-2-1

(株)荏原総合研究所 桐山光市