【論  文】

家庭電化製品に対する分解性評価方法の検討

大 西   宏*・寺 田 貴 彦*・清 水 時 彦*

【要 旨】 家庭電化製品に対するリサイクル性を改善するために,製品使用後の分解時間の短縮が要望されている。ところが製品使用後の分解性に関しては,従来の製品性能(機械的な強度,消費電力など)に対して確立されているような評価方法がない。本論では,新たに定義した時間に対応した指数により相対的に分解性を評価する方法を提案している。まず10年間使用した全自動洗濯機を実際に分解した結果から,結合の解除に要した時間に対応して結合種類を分類できることを明らかにした。次に,本分類に対応した指数(『分解指数』と呼ぶ)を定義し,5つの家庭電化製品(テレビなど)について結合種類から試算される分解指数の合計と実際に結合解除に要した総時間が比例関係にあることを示した。最後にこの分解指数で製品の分解に必要な総時間(結合箇所の探索,解除,部品の取り出しに要する時間の総和からなると仮定している)を算出し,本提案の評価方法が異なる製品間でも分解性を相対的に指数評価できることを示した。

キーワード: リサイクル,製品アセスメント,分解時間,製品設計,製品廃棄物

廃棄物学会論文誌,Vol. 6, No.1, pp.1-6, 1995

原稿受付 1994.1.5

* 松下電器産業(株) 環境技術研究所

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