【特 集 :揮発性有機化合物(VOC)と廃棄物】

特別管理廃棄物としての燃焼性廃油および揮発性有機化合物の適正処理について

安 藤   茂*・平 岡 正 勝**・酒 井 伸 一***

【要 旨】 燃焼しにくいものとして厚生省令で定められたものを除く廃油(以下「燃焼性廃油」という。)は,特別管理産業廃棄物として指定されている。引火性の液体は,消防法により危険物第4類として規定されているが,燃焼性廃油は廃棄物処理の観点から,その排出から最終処分に至るまでの適正な処理を確保するために特別管理産業廃棄物として指定し,その管理を強化・徹底することとされたものである。また,1994年9月の廃棄物処理法施行令の一部改正により,9種の揮発性化合物を含む廃棄物が特別管理産業廃棄物として指定された。これらの揮発性化合物は水系汚染の防止の観点から処理基準が定められているが,あわせて大気環境保全の観点からの対処も廃棄物に対して求められる。本稿では,廃油の燃焼性の判定方法に触れるとともに,燃焼性廃油および揮発性化合物を含む廃棄物の保管,収集・運搬,処理・処分に関する留意事項について述べた。

キーワード: 特別管理産業廃棄物,燃焼性廃油,揮発性化合物,廃棄物処理

廃棄物学会誌,Vol.6, No.1, pp.34-45, 1995

原稿受付 1994.12.26

* (財)廃棄物研究財団 技監

** (財)大阪科学技術センター地球環境システム工学研究所 所長

*** 京都大学環境保全センター 助手

連絡先:〒162 東京都新宿区下宮比町2-14 飯田橋KSビル

(財)廃棄物研究財団 安藤 茂