【特 集 :廃棄物学会第5回研究発表会】

シンポジウム 食品包材・容器の製品アセスメントとLCA

佐 野 征 啓*

【要 旨】 わが国の産業界で実施されている製品アセスメントについて,食品の包材・容器を対象に簡便な相対評価法「エコインデックス」を開発し実施してきた。ここでは「エコインデックス」の(1)社内での運営方法,(2)評価項目(省資源,有効利用,廃棄適性,表示等の10項目)と評価方法(評価基準の設定と3段階評価),および成果としての食品の包材・容器の改善実施例を紹介する。また,LCAのインベトリー分析において(1)産業構造の変化(半製品・部品および製品の輸入と国産品の比較評価),(2)ストックの評価(原材料・エネルギーだけでなく立地,生産設備,投入労働力),(3)リサイクル・ルートの多様化(プラスチックのマティリアル,ケミカルおよびサーマルリサイクルによる再資源化)をどのように国際的に合意形成していくかを注目している。

キーワード: 製品アセスメント,簡易相対評価法の開発,包材容器の改善事例

廃棄物学会誌,Vol. 6, No.2, pp.95-100, 1995

原稿受付 1995.1.13

* 味の素(株)前環境部長

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