【論  文】

有機性汚泥を原料とする活性炭の製造方法

松 永 和 義*・森 田 啓次郎*・近 藤 基 一*・板 谷   勉*・森   忠 繁*・宍 戸 鴻 治**・大 部 素 宏**

【要 旨】 下水汚泥の発生量は年々増加して150万トンに達し,埋立処分地の確保が困難になってきている。そのため,下水汚泥の減量化・再資源化を目的として肥料化,焼却灰や溶融スラグの建設資材の素材化および固形燃料化の研究があるが,著者らは下水汚泥や食品工場排水汚泥を原料として高性能な活性炭の製造について研究した。乾燥した汚泥ケーキをセラミック製ルツボに取り,これをさらに大きいルツボに入れてアルミホイルで包み,650℃で2時間加熱して得られた炭化物を,2倍重量のKOHフレークと良く混合均一化し,650℃まで急速昇温して10分間加熱する。これを温水洗浄してアルカリ分を除去し,35%HClと30分加熱処理後,ろ過水洗して活性炭を得た。この活性炭のメチレンブルー吸着性能および比表面積はそれぞれ160〜250ml/gと793〜1,771m2/gであり,市販の活性炭と同等またはそれ以上の物性値を示した。

キーワード: 有機性汚泥,高性能活性炭製造法,KOH−HCl併用処理,メチレンブルー吸着性能,高度排水処理

廃棄物学会論文誌,Vol. 6, No.3, pp.89-94, 1995

原稿受付 1994.9.5

* 岡山県環境保健センター

** 川鉄物流株式会社

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岡山県環境保健センター 松永 和義