ミジンコを用いたバイオアッセイによる都市ごみ焼却飛灰の毒性評価
金 子 栄 廣*・池 田 太*
【要 旨】 都市ごみ焼却飛灰から作製した溶出液を試料として,そこに含まれる重金属を化学的に分析すると同時にミジンコを用いたバイオアッセイによって毒性評価を試みた。この溶出液中の重金属濃度を最終処分基準値と比較すると,カドミウムが基準値を大幅に超え,鉛は基準値相当の値を示していることがわかった。また,規制の対象とはなっていないが,亜鉛も高濃度に含まれていることも明らかとなった。この結果から,これら3種類の金属がこの溶出液の毒性に寄与しているものと推測された。しかし,溶出液ならびにこれらの金属の毒性をミジンコを用いたバイオアッセイによって調べたところ,それらの毒性に対する寄与は小さいことがわかった。以上のことから,廃棄物の有害性を評価する上で,化学分析に加えて,バイオアッセイによる毒性評価を行うことの有用性が示された。
キーワード: 有害廃棄物,飛灰,毒性,バイオアッセイ,ミジンコ
廃棄物学会論文誌,Vol. 6, No.3, pp.115-121, 1995
原稿受付 1994.8.24
* 山梨大学工学部
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山梨大学工学部土木環境工学科 金子 栄廣