【特 集 :一般廃棄物とエネルギー利用】

蒸気の高温高圧化

石 関 幸 二*・稲 田 武 彦**

【要 旨】 国内ごみ焼却プラントのボイラの蒸気条件は,ガスの冷却を主目的としていた頃の8-16atg×飽和からごみをエネルギー源と考えるようになった最近の36atg×380℃に至るまで上昇してきた。NEDOで進めている「高効率廃棄物発電技術開発」では100ata×500℃クラスを狙っており,今後の開発に期待が寄せられている。一方,これらの開発を含め今日までの知見によれば,メタル温度550℃での腐食環境は450℃に比べかなり過酷であることが分ってきており,さらなる材料開発が続けられている。高温高圧ボイラでは過熱器が従来よりさらに腐食の厳しい条件下に置かれることになるが,単に材質のみの問題ではなく増加する伝熱面積の配置や各段の温度設定等を含めた設計的な検討を合わせて行う必要がある。筆者らの採用している設計指針と39atg×400℃実績ボイラでの検討を合わせ紹介する。

キーワード: 廃棄物発電,高温高圧化,高温腐食,過熱器材料,過熱器設計

廃棄物学会誌,Vol. 6, No.3, pp.195-204, 1995

原稿受付 1995.3.23

* 日本鋼管(株)環境プラントプロジェクト部 次長

** 日本鋼管(株)環境プラントプロジェクト部計画室 主査

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