【解  説】

フレームジェットエンジニアリングと廃棄物の処理・資源化

島 田 荘 平*

【要 旨】 フレームジェットとは,ジェットバーナと呼ばれる燃焼器から発生する火炎(フレーム)をいう。この火炎は,火炎ジェットともいわれ,高温・高速であるので,この火炎を利用して,作孔,切削,乾燥,蒸発,破砕,粉砕,熱分解などのさまざまな作業や操作ができる。フレームジェットは元来,岩石の作孔を目的として開発された技術であるが,現在は,この熱作孔機としての利用の他に,化学プラントの熱発生装置としてあるいは廃棄物の乾燥・解砕処理としての利用法が注目されてきている。本報では,フレームジェットの発生機構,ジェットバーナ運転システム,フレームジェットを用いた廃棄物処理・資源化システムの特長,廃棄物処理例,本システムの問題点と課題を解説した。

キーワード: フレームジェット,廃棄物,処理,再資源化,乾燥,解砕

廃棄物学会誌,Vol. 6, No.3, pp.251-259, 1995

原稿受付 1994.12.5

* 東京大学工学部 地球システム工学科 助教授

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