【特 集 :埋立管理とバイオモニタリング】

活性化覆土による浄化機能と新しい最終処分システム

松 藤 康 司*

【要 旨】 本稿では,従来の最終処分場の機能を明らかにするために,埋立構造の基本概念を述べ,埋立構造と微生物の役割について準好気性埋立と循環式準好気性埋立の微生物による廃棄物の分解過程について概説する。そして埋立地は,微生物の活動を応用したバイオリアクターの機能を有する「人工の器」としてその機能の拡大が計られていることを明らかにする。一方,近年埋立廃棄物の性状が変化する中で,埋立地は「貯留,保管,備蓄」の機能が益々求められている。このため,高温焼成木炭を使った「活性化覆土」を循環式準好気性埋立構造と組み合わせた新しい埋立システムの開発を行い,その基礎研究を行った。その結果,ABC(Adsorption, Bioreactor and Clean-up)システムを有する埋立構造の可能性が示唆され,これを新しい最終処分システム「デポ・ランド(Depo-Land; Deposit Landfill)」として提案する。

キーワード: 埋立構造,微生物,活性化覆土,バイオリアクター,デポ・ランド

廃棄物学会誌,Vol. 6, No.4, pp.278-284, 1995

原稿受付 1995.6.28

* 福岡大学工学部 助教授

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