まちとむらを結ぶ有機物の総合処理・資源化システムの構築
森 忠 洋*・蔡 惠 良**・梁 在 m**
【要 旨】 本報告はまちとむらで発生する有機性廃棄物を総合的処理・資源化するための方法を述べたものである。このシステムには二つの技術がある。その一つは高品質コンポストの生産であり,他の一つは高温・好気法による有機性廃棄物の完全処理である。高品質コンポストは“まち”と“むら”から発生する廃棄物を適正に混合することによって作られる。高品質コンポストは通常の堆肥としての特性を持つだけでなく,土壌改良効果とかなりの濃度の肥料成分を有している。含水率と通気性の調節のためには第1副資材として木質材を用いた。また,土壌改良効果と肥料成分を高めるため,第2副資材として木炭およびゼオライトを用いた。有機性廃棄物の完全処理とは,有機物が二酸化炭素と水に完全に変換することと,投入したすべての水分が蒸発することと定義した。有機性廃棄物中のBODと熱量を考慮して混合し,高温・好気処理を行えば完全処理が可能である。投入した全ての水は有機物が分解する際に発生した熱により蒸発する。
キーワード: 資源化システム,高品質コンポスト,土壌改良,高温・好気法,完全分解
廃棄物学会誌,Vol. 6, No.4, pp.330-336, 1995
原稿受付 1995.2.15
* 島根大学 農学部
** 鳥取大学 連合大学院
連絡先:〒690 島根県松江市西川津町1060
島根大学 農学部 森 忠洋