粗大ごみ処理設備における危険物検知システム
大 西 巍*・赤井澤 義 和*・清 水 利 眞*・米 澤 富 任*
【要 旨】 粗大ごみ処理施設では,爆発事故を防止するため破砕処理前に人手によりガスボンベなどの危険物が取り除かれる。とくに大きな事故を引き起こす原因となる燃料用ガスボンベの検出は設備の保全と作業員の安全を確保するうえで重要であるが,しかし現状では種々雑多なごみに紛れて搬送される危険物を確実に検知することは困難である。受入れ部から搬送されるごみは,形状,大きさ,組成などが複雑に異なり多様な不確定さをもつ。このため検出器と対象との確定的な関係を用いた従来のセンシング方法の概念を危険物検知に適用することは困難である。本研究ではガスボンベの自動検出を目的として,複数のセンサー出力を入力情報としてファジィ推論とニューラルネットモデルにより,当該ごみがボンベである可能性を並列に推論する方法を提案する。この方法は検出対象の種類を拡張することにより,収集ごみの自動分別にも適用可能と考えられる。
キーワード: 粗大ごみ,危険物検知,燃料用ガスボンベ,ファジィ推論,ごみ分別
廃棄物学会論文誌,Vol. 6, No.5, pp.180-188, 1995
原稿受付 1995.2.2
* 三菱重工業(株)横浜研究所
連絡先:〒231 横浜市中区錦町12
三菱重工業(株)横浜研究所 大西 巍