【特 集 :災害と廃棄物対策】

神戸市の災害廃棄物対策

藤 原 輝 夫*

【要 旨】 本稿では,平成7年1月17日未明に神戸市を含む阪神・淡路地域を襲った「阪神・淡路大地震」の発生から7年8月までの,主に倒壊家屋の解体撤去および処理処分の現状について報告する。地震の規模は,気象庁の発表では神戸の臨海部では震度7を記録し,これまで本市が想定(防災計画では,震度「5の強」を想定)した規模をはるかに上回るものであり,全壊・半壊,全焼・半焼家屋棟数は約9万4千棟に及んでいる。これに伴い撤去を要する災害廃棄物量は神戸市域全体で約1千4百万m3(7年4月現在推計)と推計され,平成7年度中の解体撤去および平成8年度中の処理処分完了を目標に仮置場への搬入および分別・焼却等の施設整備を進めているところであり,それらについて,神戸市行政の動きを絡め紹介する。

キーワード: 震度7,防災計画,災害廃棄物量,仮置場,分別・焼却

廃棄物学会誌,Vol. 6, No.5, pp.380-393, 1995

原稿受付 1995.8.14

* 神戸市環境局災害廃棄物対策室 室長

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