【特 集 :災害と廃棄物対策】

災害時の廃棄物処理技術

中 道 民 広*・井 上   求**

【要 旨】 阪神・淡路大震災から7ヶ月が経過し,被災した建物の解体撤去から,処理へと重点が移ってきた。災害廃棄物の処理の中で解体は,後工程の処理内容を決定づける重要な処理工程である。分別解体の徹底に成功した一部の被災市では,その後の処理を比較的容易に行うことができた。しかし,大半の被災市では,分別解体の指導が十分には徹底できず,大量の混合廃棄物の処理を行わざるをえなくなった。運搬での反省点は,過積載とこれに伴う低速走行や処分場内でのパンク,横転事故および運搬中の廃棄物の飛散等であった。仮置基地や中間処理基地に搬入された廃棄物の取扱いでは,バックホウをはじめとする重機類の選定と運用が重要である。破砕・選別技術では,水プールを用いた比重差選別方式や破砕・ふるい方式が多くの市で採用された。

キーワード: 災害廃棄物,解体撤去,運搬,重機,破砕・選別

廃棄物学会誌,Vol. 6, No.5, pp.394-401, 1995

原稿受付 1995.8.21

* 神戸市環境局業務部西クリーンセンター 所長

** (株)神戸環境計画研究所 代表取締役

連絡先:〒651-21 神戸市西区伊川谷町井吹

神戸市環境局業務部西クリーンセンター所長 中道 民広