【特 集 :容器包装廃棄物制度】

容器包装リサイクル法とメーカー責任

――海外における政策デザインの動向をふまえて――

郡 嶌   孝*

【要 旨】 経済学のペティ・クラークの法則に示される通り,先進国では第三次産業の社会,すなわち,サービス化社会が到来しているといえる。ダニエル・ベルはこのような変化を脱工業社会としての社会の進歩として論じ,一般的には,経済進歩に伴う産業構造の変化は農集社会から産菜社会,そしてサービス化社会への転換として論じられている。サービス化社会におけるその鍵は産業の「情報革命」と環境問題へ対応した「サスティナビリティ革命」にあるといえる。サービス化社会との関係の中での「サスティナビリティ革命」を取り上げることにより,たとえば,環境政策において導入され始めた「メーカー責任」や「リテイク」など,地球環境間題がこれまで大量生産・大量消費・大量廃棄になる経済構造や生活様式の見直しをいいながらも,諭じてこなかったその方法や見直し後のそれらについて,リサイクル経済に代わり求められるグランド・ビジョンを示すことが必要である。

キーワード: サービス化社会,メーカー責任,リテイク,サスティナビリティ

廃棄物学会誌,Vol. 6, No.6, pp.457-464, 1995

原稿受付 1995.11.24

* 同志社大学 経済学部 教授

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同志社大学 経済学部