【特 集 :医療廃棄物をめぐる最近の動向―研究委員会研究活動(医療廃棄物部会)―】

感染性廃棄物の適正処理について

木 下 正 明*

【要 旨】 病院等から排出される医療廃棄物には感染性の恐れがある廃棄物が含まれている。このような感染性廃棄物の処理を適切に進めるため,平成元年に医療廃棄物処理ガイドラインが策定された。平成3年の廃棄物処理法の改正によって,特別管理廃棄物の制度が導入されたが,感染性廃棄物は特別管理廃棄物として指定された。特別管理廃棄物に該当すると,排出事業者はマニフェストの使用,管理責任者の設置等の規制を受け,処理業者は特別管理廃棄物処理業の許可が必要である。また,医療廃棄物処理ガイドラインが見なおされ,感染性廃棄物処理マニュアルが策定された。今後は,処理業界のレベルアップや公共関与等による処理施設整備等により適正処理の推進が図られることが重要である。

キーワード: 医療廃棄物,感染性廃棄物,特別管理廃棄物,マニフェスト,公共関与

廃棄物学会誌,Vol. 7, No.1, pp.5-11, 1996

原稿受付 1995.11.27

* 厚生省水道環境部産業廃棄物対策室長

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