【論  文】

リサイクル効果の定量化とその自動車バンパへの適用

和 田 安 彦*・三 浦 浩 之*・中 野 加都子*

【要 旨】 リサイクルの実施が社会的な目標となっている現在,リサイクルを活性化させながら環境負荷の低減化を図るためには,リサイクルが環境負荷低減化効果があることを科学的,客観的に示すこと,およびリサイクルによる環境負荷を低減化させるための目標を明らかにすることが必要である。本研究は,リサイクル,処理処分プロセスにおける環境負荷定量化の考え方を述べるとともに,リサイクル効果を定量化し,リサイクルにおける環境負荷を低減化するための社会システム上の問題を明らかにするために,LCAを適用する手法を提案するものである。ここでは自動車バンパのリサイクルをケーススタディとしてとりあげ,現状のリサイクルにおける環境負荷低減化効果の有無とその定量化,環境負荷の高いプロセスの特定とそれを解決するために必要な具体的目標を明らかにした。

キーワード: リサイクル,LCA,社会システム,環境負荷,リサイクルフェイズ

廃棄物学会論文誌,Vol. 7, No.2, pp.49-57, 1996

原稿受付 1995.7.6

* 関西大学工学部土木工学科環境工学研究室

連絡先:〒564 吹田市山手町3-3-35 和田 安彦