【特 集 :汚染修復対策】

汚染修復対策技術

植 松 信 行*・美 坂 康 有**・中 村   隆***・峠   和 男****

【要 旨】 土壌・地下水汚染が深刻な問題となっている米国では,汚染源対策の70%以上がコストベネフィットの観点から,恒久修復型の浄化処理で実施され,コストパフォーマンスのある浄化専用技術の開発が推進されている。一方わが国では,汚染顕在化の件数が少なく,技術の適用実態が客観的に把握されているとはいい難い状況にあるが,公表されている対策技術の過半数が封じ込め関連である。本稿では,海外の情報も参考にしながらわが国における技術動向を紹介する。また,導入技術も含めてわが国で利用できる技術を,対策を実施する視点からみて,対策の目的別,適用対象の媒体別,適用汚染物質の種類別に整理し概説した。さらに,揮発性有機塩素化合物,重金属およびPCBの各汚染地を想定して,調査から浄化までの一連の作業をケーススタディとして行って,積算した浄化費用についても,土壌環境浄化フォーラムの活動成果の中から紹介する。

キーワード: SITEプログラム,汚染土壌,汚染修復,浄化技術,浄化費用

廃棄物学会誌,Vol. 7, No.3, pp.256-269, 1996

原稿受付 1996.4.23

* 新日本製鐵(株) 環境プラント部 部長代理

** 栗田工業(株) 顧問

*** 日立金属(株) 土壌環境浄化室 室長

**** (株)大林組 社会基盤プロジェクト部 課長

連絡先:〒100-71 東京都千代田区大手町2-6-3

新日本製鐵(株) 環境プラント部 部長代理 植松 信行