家庭系ごみ収集量の変化要因分析およびごみ種別推定モデルの作成
呉 佶 鍾*・松 藤 敏 彦*・田 中 信 寿*
【要 旨】 ごみ処理の計画・実施にあたっては,処理対象となるごみの量を知ることが重要である。本研究では,まず,自治体の収集区分ごとのごみ量(ごみ種という)が,どのような要因によって変化するかを検討した。考察の対象としたのは,アンケートによってごみ処理に関する資料,ごみ量データの得られた200市であり,ごみ種の名称が同じであってもその量には大きなばらつきがあった。ごみ種ごとの収集量に特徴のある自治体の資料調査によって,ごみ分別指定内容の違いによるごみ種間の移動と,資源化,厨芥自家処理などによるごみ自体の減少の2つの大きなグループに要因を整理できた。これらの要因を用い,可燃ごみと不燃・粗大ごみについて,統計処理に基づく推定モデルを作成した。さらに,家庭系ごみ発生量に関する知見を整理し,それに基づいて可燃ごみ,不燃ごみ,粗大ごみ,資源ごみ量を推定するモデルを作成した。
キーワード: 家庭系ごみ,ごみ収集区分,要因分析,収集量推定モデル
廃棄物学会論文誌,Vol. 7, No.4, pp.183-192, 1996
原稿受付 1996.1.11
* 北海道大学工学部衛生工学科
連絡先:〒060 札幌市北区北13条西8丁目
北海道大学工学部衛生工学科 松藤 敏彦