【特 集 :RDF(ごみ燃料)】

RDFの有効性に関する検討――LCA的視点を含めて――

永 田 勝 也*・嬉 野 通 弥**

【要 旨】 いまや,環境保全と資源有効利用は世界的な課題となっている。都市系廃棄物の焼却処理は有害物の分解や減量化等に有効であるばかりでなく,高いエネルギー回収の可能性を持っており,より一層の性能向上が望まれている。現在,さまざまな高効率化の方策や新しい燃焼システムが提案されているが,そのうちの一つとしてRDFが注目されている。ごみをRDF化するためにはエネルギーを必要とするが,高い効率でエネルギー回収を行え,効率的処理方法となる。ここではまず,従来のごみ発電システムのライフサイクルでのエネルギー分析結果を示した。次に廃棄物組成をパラメーターとしてRDF発電の有効性を従来システムと対比して比較した。さらに,両者に対してわれわれが提案しているLCA手法を用いて比較検討した。

キーワード: RDF,ごみ発電,サーマルリサイクル,ライフサイクルエネルギー分析,LCA

廃棄物学会誌,Vol. 7, No.4, pp.282-293, 1996

原稿受付 1996.7.30

* 早稲田大学理工学部機械工学科 教授

** 早稲田大学大学院理工学研究科 修士課程

連絡先:〒169 東京都新宿区大久保3-4-1

早稲田大学理工学部機械工学科 永田 勝也